カテゴリ: キャリアパス



今年の5月に、2年ぶりにハワード・ヒューズ医学研究所(以下、HHMI)において、新たに26名の研究者がHHMI Investigatorとして採択されました。(前回の採択に関する本ブログのエントリはこちら

HHMIは石油の掘削機と航空産業で財を成した実業家、ハワード・ヒューズの資産を元に設立された世界でも有数の資産を誇る生物医学研究の助成機関です。HHMIに採択された研究者=HHMI Investigatorはその業績(被引用数や高IFジャーナルへの掲載本数など)が全米でもトップレベルであり、著名ジャーナルでも頻繁に論文を見ることができます。

HHMI Investigetorは、年間で約100万ドルもの研究費が支給され、しかも既存のテーマにとらわれず、自分がやりたい研究のために自由に使うことができます。この自由で安定した研究資金により、HHMI Investigatorはグラント獲得のための労力を減らし、挑戦的なテーマにじっくり取り組むことが可能になります。その結果、現在までに極めて独創的な成果が多く創出されており、多くのノーベル賞受賞者(15人以上)を輩出し、HHMIの名声は高まるばかりです。

以前のエントリーにも書きましたように、HHMI Investigatorの新規採択者は、アメリカの生命科学研究におけるトップクラスの(比較的)若手研究者であり、現在、最も注目すべき存在と言えるでしょう。2015年は894人の申請者の中から、HHMI 所長のRobert Tjian曰く、「独自性と創造性」を兼ね備えていると評価された26人が選ばれました。

この倍率の高さと極めて自由で高額なグラント、そして過去に採択された研究者の輝かしい業績により、HHMI Investigatorという肩書は全米の生命科学者の憧れにもなっています。
では、さっそく今のアメリカで最もホットな生命科学者たちの顔ぶれを見ていきましょう。


Sue Biggins, PhD
Fred Hutchinson Cancer Research Center
分子細胞生物学(染色体の分配機構)
http://research.fhcrc.org/biggins/en.html

Squire J. Booker, PhD 
Pennsylvania State University, University Park 
生化学(補酵素の機能解析)
http://chem.psu.edu/directory/sjb14

Olga Boudker, PhD 
Cornell University 
神経生物学、構造生物学(グルタミン酸の再取り込み機構)
http://physiology.med.cornell.edu/faculty/profile.php?id=boudker

Yifan Cheng, PhD 
University of California, San Francisco
構造生物学(クライオ電顕による構造解析法の開発)
http://cryoem.ucsf.edu/

Job Dekker, PhD 
University of Massachusetts Medical School 
ゲノミクス(クロマチン、染色体構造解析)
http://my5c.umassmed.edu/welcome/welcome.php

Xinzhong Dong, PhD
Johns Hopkins University
神経生物学 (痛覚のメカニズム)
http://neuroscience.jhu.edu/resources/directory/faculty/Xinzhong-Dong

Loren M. Frank, PhD  
University of California, San Francisco
神経生物学、脳科学 (記憶と意思決定)
http://phy.ucsf.edu/~loren/

Levi A. Garraway, MD, PhD
Dana-Farber Cancer Institute
がんゲノミクス 
http://garrawaylab.dfci.harvard.edu/

Britt A. Glaunsinger, PhD 
University of California, Berkeley
ウィルス学  
http://glaunsingerlab.berkeley.edu/

Reuben S. Harris, PhD  
University of Minnesota, Twin Cities
免疫学 (活性化誘導シチジンデアミナーゼの機能解析)
http://harris.cbs.umn.edu/

Michael T. Laub, PhD  
Massachusetts Institute of Technology
システム生物学 (バクテリアの環境応答)
http://laublab.mit.edu/

Hening Lin, PhD  
Cornell University 
生化学 (タンパク質の翻訳後修飾、特にsirtuinの機能解析)
http://lin.chem.cornell.edu/

John D. MacMicking, PhD
Yale University
免疫学
https://medicine.yale.edu/micropath/people/john_macmicking.profile

Andreas Martin, PhD 
University of California, Berkeley
生化学、構造生物学 (プロテアソームの機能と構造)
http://mcb.berkeley.edu/labs/martin/people.php

Joshua T. Mendell, MD, PhD
University of Texas Southwestern Medical Center
分子生物学 (疾患に関わるmiRNAの解析)
http://www4.utsouthwestern.edu/mendell-lab/

Joseph D. Mougous, PhD 
University of Washington
細菌学 (細菌のシグナル伝達、VI型分泌系など)
http://faculty.washington.edu/mougous/laboratory-members/

Kim Orth, PhD 
University of Texas Southwestern Medical Center
細菌学 (病原細菌の感染メカニズム)
http://www4.utsouthwestern.edu/orthlab/

Jared Rutter, PhD 
University of Utah
生化学、分子細胞生物学 (ミトコンドリア タンパク質の機能解析)
http://www.biochem.utah.edu/rutter/

Pardis C. Sabeti, DPhil, MD 
Harvard University
計算生物学 (病原体と人類の進化)
http://sabetilab.org/

Jay Shendure, MD, PhD 
University of Washington
ゲノミクス (シーケンス技術の開発)
http://krishna.gs.washington.edu/

Krishna V. Shenoy, PhD 
Stanford University
神経生物学 (運動機能の制御、BMIの開発)
http://web.stanford.edu/~shenoy/

J. Paul Taylor, MD, PhD 
St. Jude Children's Research Hospital
神経生物学 (神経疾患とRNA顆粒の研究)
https://www.stjude.org/directory/t/j-paul-taylor.html

Doris Y. Tsao, PhD 
California Institute of Technology
脳科学 (霊長類の視覚、認識の研究)
http://tsaolab.caltech.edu/

Tobias C. Walther, PhD 
Harvard University
分子細胞生物学、生化学 (脂肪滴、細胞の脂質代謝)
http://www.hsph.harvard.edu/farese-walther-lab/

Joanna K. Wysocka, PhD 
Stanford University
発生生物学 (発生におけるエピジェネティクス、神経冠細胞の移動、顔面形成)
http://stemcellphd.stanford.edu/faculty/joanna-wysocka.html

Jennifer A. Zallen, PhD 
Memorial Sloan-Kettering Cancer Center
発生生物学 (細胞の移動、形態形成)
https://www.mskcc.org/research-areas/labs/jennifer-zallen


採択者の研究分野を見てみると神経生物学、脳科学の研究者が約1/4を占めいていることがわかります。分野ありきで選考しているわけではありませんので、神経生物学や脳科学では若手により独創的で重要な研究が多くなされていると考えるべきでしょう。一方でがんの研究者が少ないのは、神経生物学などとは状況が異なり、未だにビッグネームが分野を牽引しているためかもしれません。
また、採択者の経歴を見てみると、その多くが大学院生〜ポスドク時代に、自分のアイデアで大発見をしています。優秀な研究者の場合、研究のオリジナリティは若いうちから発現するとみて良いでしょう。

また、採択者の研究内容を細かく見ていくと(各研究者のリンク先をご参照ください)、重要でありながら、今まで見過ごされてきた分野にフォーカスしている事例が多くなっています。より正確に言えば、多くの研究者がさほど重要ではないと注目してこなかった分野の中に潜む重要性を見抜き、いかにそれが重要で価値があるかを自ら証明してきた研究者が選ばれているのです。
誰から見ても重要な分野は多くの研究者により古くから研究が進められ、既に多くの発見がなされていますから、そこで大きな業績を上げるのは並大抵のことではありません。特にヒト・モノ・カネの点で不利な若手研究者にとって、ビッグネームと伍することは困難でしょう。

自分の興味があることを追求するのが第一ではありますが、それに加えて、こうした"鉱脈"を見つけること、テーマ設定の妙が今まで以上に問われる時代になってきたと言えるでしょう。

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先日、ネットサーフィンの際に興味深い記事を見つけたので、ここで紹介しておきたいと思います。


Photo by DanBrady

GIZMODO
米国には博士号を持っている清掃作業員が5,000人いる


この記事によると、米労働省労働統計局が行った調査の結果、清掃作業員として働いている人の5パーセント(10万7千人)が大卒以上で、その中には5千人もの博士号取得者もしくは同程度の職能者(Doctoral or professional degrees)が含まれていることがわかったそうです。(ちなみにここで言う、Doctoral or professional degreesとは、一般に博士号取得者や医師、歯科医師、弁護士などを指します)
また、この記事の元ネタによると、ウェイター/ウェイトレスとして働いているDoctoral or professional degreeは8千人にのぼるそうです。
"Doctoral or professional degrees"という括りの中で、doctoralとprofessional degreesの割合は示されていませんが、後者の職業的安定性を考えれば、多くがdoctoralと考えられます。
とすると、やはりポスドクまでいったものの、その後の研究者としてのキャリアが続かずにドロップアウトしてしまった人々が大半を占めるのではないでしょうか。


なお、アメリカにおける各職業の最終学歴に関する統計がありますので、参考として紹介しておきたいと思います。
http://www.bls.gov/emp/ep_dataset_edtrain.pdf


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8月になり、相変わらず用もないのにコールドルームへ行きたくなるような日々が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

さて、拙ブログをご覧の方々の中には、M1(修士課程1年)の方々もいらっしゃるかと思います。さらにその中には4月から新しい研究室に移ったM1の方も少なくないと思いますが、おそらく新しい環境にも完全に慣れ、実験をガンガンこなされていることでしょう。

ようやく修論の研究に本格的に取り組み始めた矢先にこのような話題を持ち出すのは、少々気が引けるのですが、進路(就職or博士課程進学)については、考えていらっしゃるでしょうか?
博士課程へ進学するか就職するか迷っている方も多いかもしれませんが、実は決断のリミットはもうそんなに未来のことではないのです。

そこで時期柄、今回のエントリーでは、就職を希望されているM1の方のために、「Lablogue的就活メモ」と題して、管理人が就活の中で感じたことやアドバイスをざっくばらんに書いてみたいと思います。


Lablogue的就活メモ

・進路(就職or進学)はM1の7月、遅くとも9月までには決める。
2011年1月 追記 
経団連は2013年春入社予定の学生の就活から、会社説明会など採用に関する「広報活動」の開始時期を2ヶ月遅らせて、学部3年生(大学院生は修士1年)の12月1日以降とする指針を打出しました。

・ 研究職を志望する場合、インターンシップはそれほど重要ではない。ただし、志望する企業が研究職のインターンシップを募集していたら、応募すべき。
なお、インターンシップの選考に落ちても、採用の選考には直接影響しない場合も多いので、あまり気にしないこと。

・研究職の募集では、工学系や化学系の学生を募集しているものは多いが、生物系は少ない。故に、採用数に対して志願者がかなり多く、有名企業では倍率が数十倍を超えることもざらにあるので、対策と準備をしっかりして臨むこと。

・就活支援サイト(リクナビ、マイナビ等)は2つか3つくらい登録してしておくとよい。(特定の就活サイト経由でしかエントリーできない企業もある。)また、これは情報の偏りを防ぐことにもなる。逆に多すぎてもだめ。情報が消化しきれなくなる。

・ 会社説明会に参加する時は、説明会開始の30分前には会場に到着しておくこと。多くの場合、液晶プロジェクターを使って説明するが、会場の大きさに対してスクリーンが小さいことが多く、後ろに座るとほとんどと見えない。
そのため、できるだけ早めに会場に到着し、前の方の席を確保すること。

・ 研究以外はやりたくありませんという姿勢は企業から見てNG。多くの企業は柔軟性、適応性の高い学生を求めている。

・ こんなことやってみたいというヴィジョンを示す(夢を語る)ことは重要。

・ 学生時代の研究を企業でそのまま活かせることはあまり無いし、企業も期待していない(残念ながら)。そのため、企業は学生の研究テーマ自体はあまり重視しないことが多い。重視するのはポテンシャルである。

→例えば、修論で基礎医学的な研究をやっていたとしても、製薬メーカーの研究職採用において、それが必ずしも有利にはならないということである。
そのため、自分の研究テーマに関する知識やスキルが就職してから役に立つこと(だけ)をアピールするのではく、研究や学生生活の中で培った自分のポテンシャル、経験(例えば、研究上の困難をどのように乗り越えたか等)をアピールすることが重要である。

研究職の採用だからといって、研究能力だけをアピールしても、企業からは必ずしも魅力的に見えるわけではない。
それよりも、自分の長所を具体例とともに最大限アピールし、他人と差別化できるかがポイント。

・ 面接等で自分の修論内容を説明する時は、わかりやすさを心がけ、簡潔・明瞭にすること。

→難しい研究テーマをいかに分かりやすく説明できるかもプレゼン能力の内で、面接官(人事担当者)は研究内容よりもそこに注目していることが多い。
また、場合によっては、わかりやすさを優先すること。身近な具体例や誰でも知っているトピック・キーワードと結びつけることも重要。

・目立った資格の無い人はTOEICを受けておいた方が良い。


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今まで、2回のエントリーに渡って、大学院入試の専門科目対策について説明してきましたが、今回のエントリーが、その最終回となります。


ステップ2:勉強法の設計
ステップ1で試験問題を分析したら、その結果に基づいて、勉強法を設定します。
ここでは、「知識の拡充」「演習」の2つの部分に分けて考えます。

知識の拡充
まず、前回のエントリーのステップ1-Aで、試験問題がどのレベルの知識を要求しているのか把握したら、それに基づいて適切なレベルの参考書を読み込み、知識を蓄積していきます。方法は人それぞれでよいのですが、Lablogue管理人は、重要箇所にアンダーラインを引きながら、必要に応じて簡単なまとめを作成していました。

なお、参考書を読む際には、ステップ1-Bで分析した、頻出分野を中心に読んでいきます。読まねばならない量は決して少なくないと思いますが、1日何ページというように、一定の分量を課して勉強していきましょう。


演習

演習に関しては、受験する大学院の過去問を中心に行います。
最初のうちは、あまり時間にこだわらなくても良いでしょう。

注)2年分くらいは、後述する本番形式の演習のためにとっておきましょう。

演習の手順としては、

1. 参考書を使わずに問題を解いてみる。
2. 参考書を参照しながら、答え合わせする。
(大学院入試の過去問は解答例が公開されていない場合がほとんどなので、参考書を頼りに答え合わせする)
3. 参考書を参照しながら、自分なりに模範解答を作ってみる。

なお、受験する大学院の過去問だけでなく、他大学院の過去問や市販の演習書にも積極的に取り組んでください。演習書としては、Molecular Biology of the Cellの問題集である「A Problems Approach」(Amazonへ飛びます)がお勧めです。日本語版が無いのが残念ですが、(過去の版に関しては日本語訳もあるのですが、内容がかなり古く、個人的には、演習する価値はあまり無いと思います)英語の勉強にもなると思って取り組んでいただけたらと思います。

また、演習問題を選ぶ際は、自分が受験する大学院の入試問題と似たタイプの問題をメインにしますが、どんなタイプの問題が出ても対処できるように、様々なタイプの問題を解くようにしましょう。

なお、入試が近づいてきたら、「通しでの演習」に力を入れてください。通しでの演習とは、試験時間と同じ時間内で、決められた数の問題を解く演習のことです。もちろん、解答中は参考書を使用してはいけません。いわば、自分で模擬試験*をするのです。これは、試験時間の有効な使い方(時間配分など)を練習したり、集中力を持続させるためのトレーニングになります。要するに、試験の勘を取り戻すためのものと思ってください。
自分の持っている力を試験で十分に発揮するためには、このような本番形式の演習は欠かせません。

*この際に使用する演習問題は、まだ手をつけていない過去問があれば、それを使用しますが、もし、全て解いてしまったら、問題のタイプが似ている他大学院の入試問題を使うと良いでしょう。


Appendix
<記述のポイント>

専門科目の試験では、知識を記述したり、あるいは考察を記述したりと、記述問題がほぼ必ず出題されます。ここでは、記述のポイントについて、簡単に説明しておきましょう。

知識を記述する場合
この場合では、論理的でわかりやすく記述することを心がけなければなりませんが、特に以下のポイントに留意しましょう。

・5W1Hを明確にすること
Whoどんな分子が、What 何を、When いつ(どのような条件のもとで)、
Where どこで、Why なぜ、How どのように、したのか

注)問題によっては、5Wではなく、3Wや4Wでも十分な場合があります。

・より具体的に記述する
例 タンパク質Aがタンパク質Bに作用して、、、
→ もし、この作用がリン酸化であることが広く知られているのであれば、
タンパク質Aがタンパク質Bをリン酸化して、と書くべきです。

・必要なキーワードを外さない
ある知見や現象を記述する際には、絶対に外せないキーワード(キーとなる分子の名前など)が存在していますので、それを過不足なく記述に盛り込みます。問題によっては、予め「以下の用語を用いて述べよ」と指定されていることもあります。

考察を記述する場合
この場合でも、基本的には知識を記述する際のポイントを押さえることが重要となりますが、それに加えて、因果関係を明確に記述することが必要です。記述の際には、実験結果を簡潔に引用し、それ故に、どのようなことが言えるのかを書いていきます。


長々と書いてきましたが、以上がLablogue流の専門科目試験の対策となります。
みなさまのご健闘をお祈りしております。


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前回に引き続き、大学院入試の専門科目対策について説明していきます。

B. 出題分野のチェック
数年分の過去問を入手し、出題分野について以下の点をチェックします。

1. 入試問題において、出題頻度の高い分野があるかどうか。

もし、頻出する分野があれば、その分野を重点的に勉強するのが効率的です。

2. その研究科に所属する教授陣の研究分野と試験問題の出題分野に関連はあるか。

大学院の入試問題は、基本的にその大学院の教授や准教授によって作成されます。彼らが問題を作るときは、多くの場合、自分の研究分野か、それに近い分野を題材として問題を作成します。これは、自分の研究分野から出題するのが、最も容易で、なおかつ出題ミスを犯しにくいからです。(自分の専門外の分野に首を突っ込んで、出題ミスでもしたら、目も当てられませんから)

したがって、その研究科の教授陣の研究分野から、多くの入試問題が出題されている場合は、その研究分野を重点的に勉強するのが効率的です。
ちなみに私が受験した某大学院では、発生生物学と神経生物学の分野の教授が多く、これらの分野からは毎年のように出題されていました。

ただ、注意して欲しいのは、頻出する分野があったとしても、前年に出題された問題と同じような問題はまず出ないということです。例えば、毎年のようにシグナル伝達の分野からの出題するある大学院があり、ある年の入試でGタンパク質共役型受容体(GPCR)関連の問題が出たとすると、次の年にもGPCRに関する問題が出ることは稀です。同じシグナル伝達の分野からでも、受容体型チロシンキナーゼに関する問題が出たりするのです。
その点に留意しながら、どの分野を重点的に勉強したらよいのか検討してください。ただし、幅広く勉強することは重要であり、特定の分野のみに偏らないようにしてください。


C. 問題のタイプのチェック
ここでは、その大学院の入試問題においてどのようなタイプの問題が多く出題されるのかをチェックします。

典型的は問題のタイプとしては、

・単純に知識を記述するタイプ 
→ 考察力ではなく、教科書的な知識が要求される

・実験結果をもとに考察するタイプ 
→ 教科書的な知識はあまり要求されず、考察力が要求される

・上記の2つをミックスしたタイプ 
→ 総合力(知識と考察力)の両方が要求される

などがあります。

自分が受験する大学院の入試問題では、どのタイプの問題が出題されるのかを確認し、演習問題を選ぶ際の参考にしましょう。


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