カテゴリ: プロトコール

10XTBS

組成 0.2 M Tris-HCl pH 7.5, 1.5 M NaCl
用意するもの NaCl, 1M Tris-HCl pH 7.5

<500 mL分のレシピ>

1. 1M Tris-HCl pH 7.5を100 mL測り、500 mLのビーカーへ(スターラー・バーを事前に入れておく)。
2. MillIQを450 mLくらいまで注ぐ。
3. NaClを43.83 g加えて溶かす。
4. 500 mLにメスアップ。
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4% PFA in PBS(-)

用途:組織や細胞の固定
用意するもの PFA(パラホルムアルデヒド)Sigma P6184等,  25XPBS-,  1N NaOH, 1N HCl
注意点 マスク、グローブ、保護メガネを着用

<100 mLを調整する場合>
1. 200 mLビーカーにスターラーバーを入れ、MilliQ水を80 mLを入れる。
2. PFAを4 g, 1N NaOHを0.5~1mL加える。
3. ドラフト内のスターラー上で湯せん。60−65°Cまで温める。
4. 25XPBS-を4 mL加えたら、室温まで放冷。
5. 1N HClでpH 7.4に調整。
6.  100 mLまでMilliQでメスアップ
7.  0.45 umのPVDFフィルターでろ過(省略可)。分注して-20°Cで保存。
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IMG_2706

皆さんは、汎用バッファー等の調整方法をどのように記録・参照しているでしょうか?実験ノートやPC、タブレット等を使っている人が多いかもしれません。もちろん、自分の好みに合った方法で全く問題はありませんが、ぜひお勧めしたいのが、B6-E型のリングファイルです。

何が良いかというと、
①コンパクトなので実験台においても邪魔にならない。
②リングファイルなので、カードの取り外しや並べ替え、削除が容易。
③カードを取り出して、クリップで見やすいところに留めたり、クリアファイルやジップロックに入れれば、水気の多いところでも使えるなど、様々な使い方ができる。
④電源不要


こんな感じで、とても使い勝手が良いのです。そんな試薬の”レシピブック”に書き留めた様々なバッファー等の調製法について、今後少しずつご紹介していきたいと思います。


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一連のエントリーでレーザーマイクロダイセクションを用いた微小組織切片における発現解析について、プロトコールを紹介してきましたが、今回の逆転写とPCRで最後となります。
過去のプロトコールはこちらからご覧ください。

レーザーマイクロダイセクションにより切り出した組織切片由来RNAの逆転写とPCR

ここでは、TakaraのPrimSscript 1st strand synthesis kit (TaKaRa Bio)使用

以下をon iceで調合する
Random hexamers (50 uM) 0.4 uL
Template 8.2 uL
dNTP mix (10 mM each) 1 uL
RNase-free water  0.4 uL

上記を0.2 mL PCRチューブ内で混ぜ、65℃で5 minインキュベートし、 on ice

その後、以下のものを加えて混合したら、RT反応を行う。

5 x Buffer 4 uL
RNase inhibitor 0.5 uL
PrimeScript RTase 1 uL
RNase-free water 〜 20 uL (4.5 uL)


42 ℃ 45 min

70 ℃ 15 min ・・・ RTaseを失活させる


RT反応の間にPCRの準備をする。

必ず、そのままPCRへ移行する。(凍結保存は厳禁)
微量cDNAはfreeze-thawで分解してしまう。(実際にバンドが薄くなってくる)。



PCR反応

用意するもの
Takara ExTaq
プライマー

反応系 25 uLスケール
MilliQ 18.875 uL
10 x Ex taq Buffer  2.5 uL
dNTP mix (2.5 mM each) 2 uL (final conc. 0.2 mM)
Primer F R mix (5 uM each) 1 uL (final conc. 0.2 uM)
Ex taq 0.125 uL
Template (2x diluted) 0.5 uL

PCRの例
94 ℃ 1 min
94 ℃ 30 sec
60 ℃ 30 sec   4 5 cycles
72 ℃ 60 sec
4 ℃ ∞


逆転写時のプライマーに関して
プライマーにはoligo-dTとrandom hexamerがあるが、長いmRNAに関してはrandom hexamerでなければ、後のPCRで増幅されないことがある。どちらのプライマーを用いるかは、最適化が必要であるが、経験上、random hexamerの方が、バイアスがかからないことが多い。

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このエントリーではレーザーマイクロダイセクション(LMD)により得られた微小な組織からのRNA抽出について説明します。ここで紹介しているプロトコールはLMDのサンプルだけでなく、細胞量の少ないサンプルからのRNA抽出全般に適応可能です。なお、本プロトコールでは、QIAGEN RNeasy Micro Kitを使用しています。

QIAGEN RNeasy Micro Kitを用いたLMDサンプルからのRNA抽出

キットが届いたら、すぐに箱を開けて、スピンカラムを低温室のデシケーターに入れること。
また、DNase 1がキットの箱とは別に、低温に保たれて送られてくるので、到着次第、4℃で保存する。


<用意するもの>
2-Mercaptoethanol
フィルター付きティップ (RNase-free)
100 % EtOH
80 % EtOH (RNase-free)
70 % EtOH (RNase-free)

<準備等>
使用する分のBuffer RLTを別容器に分注し、2-MEを100分の1量加える。
2-MEを加えたRLTはR.T.で一ヶ月間は安定。

溶解のステップはRNA抽出のなかでも特に重要なポイントのひとつである。
細胞を十分に破砕し、RNAを可溶化しなくてならない。

抽出操作は、全て室温でおこなうこと。

1回のLMDサンプリング=1枚のスライドグラスから得られる細胞数は数百〜1,000程度と考えられる。よって、より多くのRNAを得るためには複数回のサンプリングが必要である。Buffer RLT中に溶解したサンプルは- 80 ℃で安定であるから、必要な細胞数が集まるまで、ストックしておける。

80 % EtOHの調整
50 mL のガラス製メスシリンダーをDEPCなどでRNase-free化しておく。
そのメスシリンダーを用いて、24 mLの100 % EtOHを6 mLのRNase-free water (キットに附属)に加える。

Buffer PREの調整
Buffer PREに4倍量の100 % EtOHを加える。

DNase 1の調整
キット附属のDNase1 に550 uLのRNase-free water (キットに付属)を加える。バイアルを開ける時はこぼさないように注意。混ぜる時はボルテックスを使わずに、インバートで。
溶かしたら、分注して-20 ℃で保存 (最長で9ヶ月間安定)。融解・再凍結は避け、一度溶かしたら、4℃で保存。(一ヶ月は安定)

Poly-A RNA stockの調整
キット付属のpoly-A RNAに1 mLのRNase-free waterを加える。分注して-20 ℃で保存。溶かしたRNAは一回で使い切ること。
stockの濃度は310 ng/uLであり、使用する時はまずBuffer RLTで100倍希釈する。その後、1.3 uL (4 ng)をサンプルへ加える。


LMDサンプルからのRNA抽出

・0.5 mL PCRチューブ(eppendolf)のフタに、2-ME添加済みのBuffer RLTを40 uL入れて、顕微鏡にセット。
・Buffer RLTに沈殿が生じていないか確かめる。沈殿があった場合は、温めて溶かす。
・LMDで組織を切り出す (以前のエントリーを参照)


<RNAの抽出>
氷を用意しておく

1. 4 ng のpoly-A RNAを加えたら、30 secボルテックスする。
carrier は標準プロトコールで20 ng
LMDのように一回のサンプリングでは、十分な量が確保できない場合は、ここで-80 ℃で保存。サンプルが必要量そろったら、解凍してまとめる。

2. Lysateと同量の70 % EtOHを加え、ピペッティングでよく混ぜる。

3. スピンカラムに2 mLのコレクションチューブを装着し、カラムにlysateをのせる。

4. フタをしてR.T. 12,000 rpmで、15 sec遠心。フロースルーを捨てる。コレクションチューブを再びカラムに装着する。

5. 350 uLのBuffer RW1をスピンカラムにのせ、フタを閉めてR.T. 12,000 rpmで15 sec遠心。フロースルーを捨てる。

6. DNase1 ストック10 uLをBuffer RDD 70 uLに加え、優しくピペッティング。
DNase 1は物理的刺激に弱いので、ボルテックスは厳禁。

7. DNase1溶液をカラムのメンブレンに直接アプライし、R.T.で15 minおく。

8. Buffer RW1を350 uLカラムにアプライし、遠心。フロースルーをコレクションチューブごと捨てる。

9. カラムに新しい2 mLコレクションチューブを装着し、Buffer RPEを500 uLアプライする。フタを閉めて、遠心→フロースルーを捨てる。

10. 500 uLの80 % EtOHをカラムにアプライし、フタを閉めたらR.T. 12,000 rpmで2 min遠心。フロースルーをコレクションチューブごと捨てる。

11. カラムを新しいコレクションチューブにセットする。カラムのフタを外した状態で遠心。(R.T. 14,000 rpmで5 min )
カラムのキャップを遠心力から守るために、キャップをローターの回転方向の逆向きになるようにセットする。フロースルーをコレクションチューブごと捨てる。

12. カラムを1.5 mLコレクションチューブ(キットに付属)にセットして、RNase-free waterを12 uLアプライする。

13. カラムのフタを閉めて、30 sec インキュベート。その後、R.T. 14,000 rpmで1 min遠心。

14. これをもう1度繰り返す。

15. 逆転写反応へ。
精製したRNAは、そのまますぐに逆転写反応に持ち込むこと。
freeze-thawは絶対に避ける。

<抽出したRNAの定量>

Bioanalyzer等を用いて定量。
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