2013年09月

前回に引き続き、建築が印象的な世界の研究所をご紹介します。

4. THE CARL ICAHN LABORATORY
所在地:ニュージャージー州 プリンストン

プリンストン大学のTHE CARL ICAHN LABORATORYはその名前が示すように、著名投資家カール・アイカーン氏の寄附により建造されたゲノミクスの研究所です。ここでは、理論科学に強いプリンストン大学らしく、計算生物学者や物理学者、実験生物学者など様々な分野の研究者がひとつ屋根の下に集まり、システムバイオロジーやQuantitative biologyの研究に取組んでいます。この研究所は東京国際フォーラムの設計でも知られる建築家ラファエル・ヴィニオリによるもので、2003年に完成しています。









5. Biomanufacturing Research Institute Technology Enterprise
所在地 ノースカロライナ州 ダーラム

Biomanufacturing Research Institute Technology Enterprise(BRITE)はノースカロライナ中央大学の生物工学研究拠点として2008年に総工費2千万ドルで完成した研究所です。ラボスペースは2,900平方メートルと比較的小規模な研究所ですが、創薬研究やイメージング、タンパク工学研究が行われています。
そのデザインは高い評価を受けており、2010年にはアメリカ建築家協会の教育施設賞を受賞しています。





6. 沖縄科学技術大学院大学
所在地 沖縄県 恩納村
OIST(沖縄科学技術大学院大学)は今の日本で最も先鋭的な設計の研究機関のひとつでしょう。自然豊かな恩納村に建つこの大学は、環境にも配慮しており、水の再利用や自然光の有効活用による省エネ、野生動物を妨げない照明設計などがなされているそうです。
下の画像をご覧いただければわかるように、リゾート施設と遜色ないくらい洗練された建築になっています。日本にもこんな研究機関があるんですね。素直に驚きました。





続きは、後日のエントリーで。
このエントリーをはてなブックマークに追加

研究所というものは見た目よりも中身(設備)の方が圧倒的に重要なのは言うまでもありませんが、それでもその建築が素晴しければ、そこに集う研究者のクリエイティビティにも影響するのではないでしょうか。
素晴らしい建築の研究所といえば、Salk研究所があまりにも有名ですが、それ以外にも建築に力を入れた研究所は世界に多く存在しています。そこで、今回のエントリーから何回かにわたり、思わず目をみはるようなデザインの研究所を10ヶ所紹介したいと思います。(なお、番号がついていますが、これは順位ではなく便宜上つけているにすぎませんので、気にしないでください)

1. ケンブリッジ大学 Sainsbury Laboratory 
所在地 イギリス ケンブリッジ

ロンドンの建築設計事務所、Stanton Williamsによりデザインされたこの植物研究所は、昨年、ロンドン五輪のスタジアムを破ってイギリスで最も権威ある建築賞のひとつ、Royal Institute of British Architects' (Riba) Stirling Prizeを受賞しました。他にも10近い建築賞を受賞しており、かなりの注目を集めていることがわかります。
洗練されたデザインだけでなく、優れたエネルギー効率と雨水を利用した節水システムを備えたグリーンな研究所であり、今後の研究所のお手本になるかもしれません。





2. The Buck Institute for Research on Aging
所在地 カリフォルニア州 ノヴァト

The Buck Institute for Research on Agingは1999年に地元の慈善家Buck夫妻の寄附によって設立された老化とその関連疾患の研究所です。毎年6百万ドルにもおよぶBuck財団からの寄附により運営されており、研究面ではカリフォルニア大学のデービス校と連携し、幹細胞研究にも力を入れていることで知られています。研究所の設計は建築のノーベル賞とも言われるプリツカー賞受賞者I.M. Pei (ルーブル美術館のガラスのピラミッドを設計)が担当しており、彼が得意とする幾何学的デザインが随所に見られます。




3. James H. Clark Center
所在地 カリフォルニア州 スタンフォード
スタンフォード大学の学際的なライフサイエンス研究を推進するBio-Xプログラムの中核機関であるClark Centerは、起業家で計算科学者のJames H. Clark(ネットスケープ社設立の一人)の寄附より2003年に設立されました。
外側からみると一見普通の研究所なのですが、その内側は中庭を挟んで対称になっており、大きくカーブしています。この内側はガラスが多用されており、夜はラボから漏れる光によって圧巻の光景を作り出しています。






以降、次回のエントリーに続きます。
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ