年内最後のエントリーです。
毎年のことですが、Science誌のBreakthrough of the yearやThe Scientists誌のTop 10 Innnovations が発表されると、年末になったことを実感します。
今年は何と言っても山中先生のノーベル賞受賞が話題になりましたが、それによって一般市民の方々が今まで以上にライフサイエンスに関心を持つようになりました。ライフサイエンス研究に対する理解と支援が国家から一国民にいたるまで、あらゆるレベルで増進するきっかけになるでしょう。
一部の研究者の中には、国の予算が再生医療分野ばかりに集中するのではないかという危惧もあるようですが、今回の受賞で、ライフサイエンスの重要性に対する国民の認識が向上したことは、再生医療以外の分野にも恩恵をもたらすはずです。(実際、再生医療とは直接関係のないバイオベンチャーへの投資も増えています)
また、第四期科学技術基本計画ではライフイノベーションの重要性が強調されていますが、今回のノーベル賞は、そのための施策をさらに推進するのに一役買うはずです(少なくとも間接的には)。
研究成果という観点から今年を振り返ると、国内外でがんやiPS細胞関連、エピゲノムをはじめとし、いくつかの分野で新展開を期待させる重要な発見がありました。また、次世代シーケンサーなど技術面でも大きな進歩が見られ、総じて今後の研究のさらなる加速に向けた手がかりやツールが数多く得られた一年だったと思います。
また、日本の研究体制に関しては、現在、文科省の主導でCenter of Innovation(COI)構想が進んでいます。これが実施されれば、今までにないイノベーション創出のための研究開発が始まるでしょう。
こうして振り返ってみると、今年は実に様々なことが胎動し始めた年に思えます。今後、加速度的に研究の在り方が変化していくように思えてなりません。
老婆心ながら管理人が読者の皆様に申し上げたいのは、そういった状況の変化に柔軟に対応し、チャンスを掴み取れるようになって頂きたいということです。そのためには、毎日のベンチワークも重要ですが、もっと外の世界に対するアンテナを張り巡らせて、自分のキャリアをどう築いていくのか常に考えて行動することが必要です。学部生とて例外ではありません。また、サイエンスを活かせるキャリアパスは以前よりも明らかに多様になり、増えてきています。ぜひ、様々な可能性を探って頂きたいと思います。
少々長く書いてしまいましたが、来年もLablogueはライフサイエンス研究に関わる方々のお役に立つ、様々な情報を微力ながら発信していきたいと思います。
本年も当ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
Lablogue管理人
毎年のことですが、Science誌のBreakthrough of the yearやThe Scientists誌のTop 10 Innnovations が発表されると、年末になったことを実感します。
今年は何と言っても山中先生のノーベル賞受賞が話題になりましたが、それによって一般市民の方々が今まで以上にライフサイエンスに関心を持つようになりました。ライフサイエンス研究に対する理解と支援が国家から一国民にいたるまで、あらゆるレベルで増進するきっかけになるでしょう。
一部の研究者の中には、国の予算が再生医療分野ばかりに集中するのではないかという危惧もあるようですが、今回の受賞で、ライフサイエンスの重要性に対する国民の認識が向上したことは、再生医療以外の分野にも恩恵をもたらすはずです。(実際、再生医療とは直接関係のないバイオベンチャーへの投資も増えています)
また、第四期科学技術基本計画ではライフイノベーションの重要性が強調されていますが、今回のノーベル賞は、そのための施策をさらに推進するのに一役買うはずです(少なくとも間接的には)。
研究成果という観点から今年を振り返ると、国内外でがんやiPS細胞関連、エピゲノムをはじめとし、いくつかの分野で新展開を期待させる重要な発見がありました。また、次世代シーケンサーなど技術面でも大きな進歩が見られ、総じて今後の研究のさらなる加速に向けた手がかりやツールが数多く得られた一年だったと思います。
また、日本の研究体制に関しては、現在、文科省の主導でCenter of Innovation(COI)構想が進んでいます。これが実施されれば、今までにないイノベーション創出のための研究開発が始まるでしょう。
こうして振り返ってみると、今年は実に様々なことが胎動し始めた年に思えます。今後、加速度的に研究の在り方が変化していくように思えてなりません。
老婆心ながら管理人が読者の皆様に申し上げたいのは、そういった状況の変化に柔軟に対応し、チャンスを掴み取れるようになって頂きたいということです。そのためには、毎日のベンチワークも重要ですが、もっと外の世界に対するアンテナを張り巡らせて、自分のキャリアをどう築いていくのか常に考えて行動することが必要です。学部生とて例外ではありません。また、サイエンスを活かせるキャリアパスは以前よりも明らかに多様になり、増えてきています。ぜひ、様々な可能性を探って頂きたいと思います。
少々長く書いてしまいましたが、来年もLablogueはライフサイエンス研究に関わる方々のお役に立つ、様々な情報を微力ながら発信していきたいと思います。
本年も当ブログをご覧いただき、ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
Lablogue管理人