2011年06月

今回のエントリーから何回かに渡って、わかりやすくて聴衆を惹きつけるプレゼンテーションの方法とテクニックについて紹介していきたいと思います。

前置き
データはバッチリ。スライドは気合を入れて作ったし、発表も全力でやったのだから、聴衆は自分のプレゼンにきっと感銘を受けたはず…
プレゼンが終り、そんなことを思いながら聴衆を見渡すと、大半が居眠りしたり上の空で、心底がっかり・・・こんな経験、みなさんはありませんか?

プレゼンテーションは自分が苦労して得た研究成果を発表する機会ですから、できるだけ多くの人に興味をもって聴いてもらいものです。また、場合によってはプレゼンがあなたのキャリアを左右することさえありますから、いよいよ重要になってきます。
では、どうすれば聴衆をプレゼンに惹き込み、最後まで飽きずに聴いてもらえるのでしょうか?
ここでは、そのためのコツについて述べていきたいと思います。

プレゼンのコツ その1:プレゼンは出だし〜序盤が肝心

プレゼンの出だし〜序盤は極めて重要です。もし、プレゼンが始まってからすぐにこんなことが判明したら、どうでしょうか?

・ スライドが見づらい :文字が小さい、色使いに問題がある等
・ 発表態度がダメ :声が小さい、早口、等
・ 専門用語の使い方 :分野外の聴衆がいるにもかかわらず、専門用語を連発する等
・ イントロがダメ :わかりづらい、すぐに本題に入る等


おそらく、この時点で既に聴衆のプレゼンを聴こうとする意欲はある程度失われてしまうでしょう。その結果、聴衆の集中力は途切れがちになり、プレゼンは十分に理解されることも無く、そのままなんとなく終わってしまうはずです。(当然、質疑応答は盛り上がらず、会場は微妙な雰囲気に…)

では、このような事態を回避するにはどうしたら良いのでしょうか?
先ほど挙げたNG例について、対処法を説明していきたいと思います。

a. 見やすいスライド作成のコツ

・フォントは太めで、見やすいものを
会場のサイズに対してスクリーンの大きさが十分でないことが多いため、会場の後ろからでも見えるようなフォントとポイント数(字の大きさ)を設定しましょう。
基本的にはゴシック体の使用が推奨されます。WindowsならばMSゴシック、MacではOsakaやヒラギノ角ゴシックPro W6などを使うと良いでしょう。
また、字のポイントは20以上にしましょう。

・文字の色に気をつける
さすがに白の背景に黄色の文字使う人はいませんが、淡いブルーなどを使ってしまい、読みづらくなっているスライドをたまに見かけます。文字の色は背景の色と対照的なものを選びましょう。


・細かい文字でスライドを埋め尽くさない
細かい文字や数字はスクリーン付近の聴衆以外からは見えません。このようなスライドは後方の聴衆から反感を買うだけでなく、プレゼンをフォローする意欲を失わせる原因になりますので、気をつけてください。


・スライドの下端ぎりぎりまで文字やデータを配置しない
意外に気がつきにくいことかも知れませんが、傾斜が無い会場ではスライドの下端にある文字やデータは前の人に隠れて見えなくなってしまうことがよくあります。

・アニメーションの使い過ぎに注意

必然性の無いアニメーションはむしろ逆効果です。
特に、概念図やまとめのスライドにおいては、アニメーションを使う必然性があるのか十分に考えましょう。
アニメーションはここぞという場面で使ってこそ、効果を発揮します。

・データの見やすさに配慮
例えば、蛍光顕微鏡の画像は、背景が白よりも黒の方が見やすくなります。このように、どうすればデータをよりわかりやすく見せることができるのかを考慮しながらスライドを作成しましょう。


b. 発表態度について


・大きな声で、はっきりと
あたりまえのことなのですが、できていない人をよく見かけます。聴衆はプレゼン内容を理解しようと必死になっているのに、そこへ聴きとるための努力が加わるとかなりのストレスとなります。

・早口にならないように注意する

早口に注意するだけでなく、適度な間を置きましょう。一般的に、読点「、」は0.5秒、句点「。」は1秒くらい間を置くと良いとされています。また、時間配分を事前に決めておくと慌てることもなく、早口になるのを防ぐことができます。

・スライドを音読するだけはNG
プレゼン初心者に多いのですが、ひたすらスライドのテキストを音読するだけの発表者を見かけることがあります。
特にスライドをプリントアウトして予め配布してある場合、このようなプレゼンをしてしまうと、聴衆は後からプリントアウトを見ればいいやと考えるので、プレゼンに対する集中力を欠きやすくなります。
逆に、スライドに書かれていないことも適宜しゃべると、聴衆は聞き逃すまいとプレゼンにより集中する傾向があります。その結果、プレゼン内容をより深く理解したり、プレゼンや発表者の印象が残りやすくなります。

・聴衆の方を向いて話す

PCのモニターに向かってプレゼンしていませんか? 顔と体を聴衆の方へ向け、時には身振り手振りを交えて話すと、グッと印象がよくなり、聴衆のプレゼンに対する注意力も増します。


続きは次回のエントリーで。
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