近年、アメリカでは一般大衆の科学への関心を喚起するために、National Lab DayやFamily Science Daysなどの様々な取組みがおこなわれるようになってきました。
そのような中で、米国科学アカデミー(The National Academy of Sciences)も、様々な取組みを行っています。
そのひとつがThe Science & Entertainment Exchange http://www.scienceandentertainmentexchange.org/という活動で、TV番組や映画の製作に科学者がアドバイザーとして参加して、その内容を科学的により正確かつ魅力的にするためのサポートをしているそうです。
このThe Science & Entertainment Exchangeが主催する会議(Science, Entertainment, and Education Summit)が2月4日に、TV・映画製作者と科学者、教育者を集めてハリウッドで開かれ、そこでハワード・ヒューズ医学研究所(以下、HHMI)が、このエントリーのタイトルにもあるように、総額6,000万ドルにもおよぶ科学ドキュメンタリーの製作を発表しました。(プレスリリースはこちらから)
このプロジェクトを指揮するHHMI副所長のSean B. Carroll博士によると、
優れた教育とエンターテイメントに共通する点はgood storytellingであるとし、それを今回の科学ドキュメンタリーで実現し、大衆へと届けるけるために
“We want to work with the best storytellers and the best scientists to bring great stories about science and scientists to large audiences.”
とコメントしています。この、「最高のストーリーテラーと最高の科学者」というくだりには、全米で最高クラスの生命科学者を選りすぐって支援するHHMIらしいこだわりが感じられます。
また、HHMIはこの科学ドキュメンタリーにおいて、科学の発見のプロセスを伝えることを重視しており、それによって人々に科学という営みがどういうものなのかを理解してもらうこと期待しているそうです。
単に科学の成果や恩恵だけでなく、それがいかにして発見されたのかということを魅力的に語る。これはより深い理解をもたらすだけでなく、人々の好奇心をくすぐり科学へと引き込むために有効な方法に思えます。
番外編:ROCKRSTERS OF SCIENCE
アメリカでは科学者をロックスターになぞらえて、科学だってロックンロールと同じくらいクールだぜ!的なノリで科学への興味関心を引こうとする、その名もROCKRSTERS OF SCIENCE(以下のリンクから)なんて活動もあります。
ROCKRSTERS OF SCIENCE
http://www.rockstarsofscience.org/ → 結構有名な科学者たちがひと昔前(ココがポイント)のロックスターと一緒にポーズなんかとっちゃってます。
でもHHMIのやり方のほうが、ずっと効果的で趣味いい気がします。