前回のエントリーに引き続き、ここではPCRの反応系の調整法を解説していきます。
3. dNTPs
dNTPの濃度:各種dNTP (dATP, dGTP, dCTP,dTTP)の最終濃度はすべて0.2 mM。
実際には、耐熱性DNAポリメラーゼに添付されているdNTPs Mixを使用する場合がほとんどでしょう。添付されているdNTPs Mixの濃度を確認し、最終濃度が0.2 mMになるように使用します。(ただし、メーカーによっては推奨濃度が異なる場合がありますので、その場合は、推奨に従ってください)
4. テンプレート (鋳型) DNA
・テンプレートDNAの量
テンプレートDNAの量は、テンプレートにするDNAのタイプによって異なります。
一般的には、ゲノムDNAは多め、プラスミドは少なめにします。
これは、ゲノムDNAでは、単位質量中に含まれる目的の配列(増幅の対象とする配列)の数が少なく、逆にプラスミドでは多いためです。
テンプレートDNA量の目安(50 uLの系)
プラスミド:0.01-1 ng (最終濃度 0.2-2 pg/uL)
ゲノムDNA: 50-250 ng (最終濃度 1-5 ng/uL)
テンプレートDNAの量は50 uLの系で最大500 ng (10 ng/uL) 程度で、多すぎると非特異的な増幅が起こりやすくなります。
テンプレートDNA量の条件検討に関しては、個人的な経験上、テンプレートDNAの量は増やすよりも、減らす方が上手く行く場合の方が多いように感じます。
・テンプレートDNAの精製
なんらかの酵素反応を行ったDNAをテンプレートとする場合は、その反応液からキャリーオーバーされた物質が反応に影響する場合があります。そのため、必要に応じてフェノールクロロホルム抽出 + エタノール沈殿を行います。
・TEバッファーに溶解したDNAをテンプレートとする場合
TE(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA)に溶解したDNAをテンプレートとするときは、鋳型となるDNA溶液の量を反応系体積の1/10以下にします。(TE中のEDTAがマグネシウムイオンをキレートしてしまうため)
一般にテンプレートDNAを含む溶液の量は反応系体積の2 %以下にしておくのが無難です。
マグネシウム塩
耐熱性DNAポリメラーゼの活性には、マグネシウムイオンが必要であり、最終濃度1.5-2 mM*になるように、MgCl2やMgSO4を加えます。
マグネシウム塩は、25 mMないし50 mMの溶液状態で、耐熱性DNAポリメラーゼに添付されていることが多いので、それを利用すればよいでしょう。なお、製品によっては、10Xバッファーにマグネシウム塩が含まれており、この場合は添加する必要はありません。
*濃度に関しては、DNAポリメラーゼに添付されている使用説明書に準じます。
3. dNTPs
dNTPの濃度:各種dNTP (dATP, dGTP, dCTP,dTTP)の最終濃度はすべて0.2 mM。
実際には、耐熱性DNAポリメラーゼに添付されているdNTPs Mixを使用する場合がほとんどでしょう。添付されているdNTPs Mixの濃度を確認し、最終濃度が0.2 mMになるように使用します。(ただし、メーカーによっては推奨濃度が異なる場合がありますので、その場合は、推奨に従ってください)
4. テンプレート (鋳型) DNA
・テンプレートDNAの量
テンプレートDNAの量は、テンプレートにするDNAのタイプによって異なります。
一般的には、ゲノムDNAは多め、プラスミドは少なめにします。
これは、ゲノムDNAでは、単位質量中に含まれる目的の配列(増幅の対象とする配列)の数が少なく、逆にプラスミドでは多いためです。
テンプレートDNA量の目安(50 uLの系)
プラスミド:0.01-1 ng (最終濃度 0.2-2 pg/uL)
ゲノムDNA: 50-250 ng (最終濃度 1-5 ng/uL)
テンプレートDNAの量は50 uLの系で最大500 ng (10 ng/uL) 程度で、多すぎると非特異的な増幅が起こりやすくなります。
テンプレートDNA量の条件検討に関しては、個人的な経験上、テンプレートDNAの量は増やすよりも、減らす方が上手く行く場合の方が多いように感じます。
・テンプレートDNAの精製
なんらかの酵素反応を行ったDNAをテンプレートとする場合は、その反応液からキャリーオーバーされた物質が反応に影響する場合があります。そのため、必要に応じてフェノールクロロホルム抽出 + エタノール沈殿を行います。
・TEバッファーに溶解したDNAをテンプレートとする場合
TE(10 mM Tris-HCl, 1 mM EDTA)に溶解したDNAをテンプレートとするときは、鋳型となるDNA溶液の量を反応系体積の1/10以下にします。(TE中のEDTAがマグネシウムイオンをキレートしてしまうため)
一般にテンプレートDNAを含む溶液の量は反応系体積の2 %以下にしておくのが無難です。
マグネシウム塩
耐熱性DNAポリメラーゼの活性には、マグネシウムイオンが必要であり、最終濃度1.5-2 mM*になるように、MgCl2やMgSO4を加えます。
マグネシウム塩は、25 mMないし50 mMの溶液状態で、耐熱性DNAポリメラーゼに添付されていることが多いので、それを利用すればよいでしょう。なお、製品によっては、10Xバッファーにマグネシウム塩が含まれており、この場合は添加する必要はありません。
*濃度に関しては、DNAポリメラーゼに添付されている使用説明書に準じます。