コラム:生命科学の学習法 (学部生向け)
以前のエントリーでは、大学院受験の勉強法についていろいろと書きましたが、その内容は短期間で効率的に受験対策をすることを目的としたため、やや受験テクニック的な内容になってしまいました。
しかしながら、勉強は本来、大学院受験のためだけにやるものではありません。
今回のコラムでは、Lablogue管理人の考える理想的な学習法について書いてみたいと思います。ここで紹介する学習法は、それなりに時間と努力を必要としますが、その分得るものは非常に多く、博士課程に進むにせよ、修士で就職するにせよ、研究でメシを食っていくための下地づくり役立つと思います。学部1~3年生の方には、この学習法をぜひ参考にしていただけたらと思います。このように、時間をたっぷり使って、深く学習できる機会は、実は学部の1-3年の間だけだったりしますから。
・用意するもの
生命科学系のメガブック*(原書)と、その訳書。
*1000ページを超えるような、幅広い分野をカバーした参考書のこと
オススメは、W.H. Freeman社のMolecular Cell Biologyで、この翻訳は東京化学同人から「分子細胞生物学」として出ています。(同名の書籍が同じ出版社から出ていますが、Lodishらが著者になっている方を選んでください)
学習の手順
1. メガブックの原書を(ほぼ)最初から読み始めます。
既に自分がよく理解している章はとばしてもよいのですが、基本的には通読します。ただし、学習は面白くなくては長続きしませんから、自分が興味のある章に対象を絞っても構いません。1回の学習で6~10ページ位が妥当な量でしょう。
読む際には、重要箇所にアンダーラインを引きながら読みます。
また、わからない英単語が出てきたら、必ず調べてメモしておき、自分だけの単語帳を作っていきましょう。さらに、科学系の英文でよく使われるフレーズを見つけたら、メモしておきます。
(読み進めるにつれて、そういったフレーズを自然に見つけられるようになります)
2. 原書を読んだら、訳書の該当部分を読んでみて、自分が原書の内容を十分に理解できたのか確認します。
3. 理解した内容を自分なりにまとめます。
メガブックに書かれている内容をただ書き写すのではなく、自分が理解したことを自分の言葉でまとめてみます。考察までできれば、さらに良いと思います。また、図などを使って視覚化することも有効です。
さらに深く学習したい方は、次の5にもチャレンジしてみましょう。
4. 特に興味を持った分野については、最新の知見にアクセスしてみましょう。
方法としては、主に総説誌を利用します。Lablogue管理人のオススメはElsevier社から出ているTrends誌で、Trends in Biochemical SciencesやTrends in Cell Biology, Trends in Geneticsなど、様々な種類があります。これらに掲載されている総説の中から、自分が興味のあるものを読んでみましょう。メガブックを読むだけでは知り得ない世界があなたを待っていることでしょう。
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